ドコノモリ

うきやま山のすそ野にて


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「歌」

歌

昔々 祈りと希望と喜びは
歌とひとつのものでした。

北に森と湖が広がる小さな国がありました。

或る日 その国の城に 二人の乙女がやってきて
「仕事を下さい」と 年老いた王妃に願い出ました。

王妃は ふたりの乙女にタペストリーを織る仕事を
与えました。

昔 幼い王女たちが行方知れずになって以来
悲しみにくれていた王妃が 織るのをやめてしまったタペストリー。
それを仕上げるようにと 年老いた王妃は命じました。

ふたりの乙女は その織りかけのタペストリーを
再び織り始めます。

乙女たちは 日の出とともに仕事をしました。
歌いながら。

小鳥のように歌いながら。

「昔々 祈りと希望と喜びは

歌とひとつのものだった

私たちは ふたたび歌を歌う

祈りと希望と喜びを
ひとつのものにするために」

乙女たちは 始めに タペトリーに 世界と天国を織りました。
次に 太陽と月を織りました。
兄弟と姉妹を織り
最後に父と母を織りました。

祈りと希望と喜びを
ひとつのものにするために

王と王妃は ふたりの乙女たちの歌を聴き
タペストリーに織り込まれた世界を見ました。

そこには 愛する息子たちと娘たちと
そして自分たち自身の姿がありました。
王妃は 祈りと希望と喜びを
ひとつのものにした娘たちを
抱きしめました。

喜びの涙とともに。

スウェーデンの古謡よりイメージを得て

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