ドコノモリ

うきやま山のすそ野にて


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無題

無題

落ちるものが  そっと落ちるようにと
やさしく 受けとめる手がある
それは何と安心なことだろう

落ちるものが そっと落ちるようにと
やさしく受けとめる手があって
森はこのように幾層ものやわらかい
褥をこしらえる

或る日、ついに老木が
大地を揺るがして
その身を横たえる時も
やさしく受けとめる手は
幾百年にも積み重なった厚い褥を用意して
老木を涅槃へと導いていく

落ちるものが そっと落ちるためには
その身が 小さければ さらによい
何も持たずに 身ひとつで

空中に飛び出す木の葉のように
くるり ひらりと 回転して
あの大きな手の中に入っていこう

記憶の底の
大きな手の中に

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