ドコノモリ

うきやま山のすそ野にて


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旅日記

旅日記

旅日記

見ることは 心に傷をつけること
それはうっすらとツメをたてることであったり
ていねいにナイフで線を刻み付けることであったり
瞬時に熱い光で焼き付けることであったりする

だから
空を飛ぶ鳥も
風に揺れる樹々も
赤子の泣く声も
優しい人の姿も
我が身の中に 全て収まっていくのだ

こんな小さな我が身の中に

しなびたりんごの肌を見ることで

崩れゆく老木のかたわらで
ひっそりと育ちゆく若木を見ることで

世界の広さと 深さと
長大な時間までもが
我が身の中に収まっていくのだ

こんな小さな我が身の中に

やがて
刻まれた印で
我が身がおおわれた時

私も又 宇宙の似姿となり
傷の記憶を携えて
空へと還っていくのだろう

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